Google Cloud 費用管理:Anomalies で異常な課金を監視する
Anomaliesとは
Anomalies(異常)とは、プロジェクトで予期していない課金を管理するための仕組みです。
異常は、過去の課金パターンに基づいて予測された支出とは異なる使用コストの急上昇または偏差を計測して検知します。ちなみに確約使用割引とクレジットは検知の対象に含まれません。
また通知だけではなく、ダッシュボードで異常検知について表示することができます。根本原因の調査、カスタマイズ可能なアラート設定などが可能で、6か月以上の支出履歴があるプロジェクトで利用できます。
必要な権限
請求先アカウント 単位
請求先アカウントに紐づいているすべてのプロジェクトまたは個々のプロジェクトの単位で、Anomalies(異常)を管理できます。
請求先アカウントに紐づいているすべてのプロジェクトの異常を管理するには、請求先アカウントレベルでの権限が必要です。
以下、Anomalies(異常)の権限が含まれている事前定義ロールです。
- 請求アカウント管理者
- 請求アカウント費用マネージャー
- 請求アカウント閲覧者(表示のみ)
プロジェクト 単位
特定のプロジェクトのみのAnomalies(異常)を操作するには、プロジェクトレベルの権限付与のみで可能です。(先ほどは請求先アカウント単位での権限付与)
以下、Anomalies(異常)の権限が含まれている事前定義ロールです。
- プロジェクトオーナー
- プロジェクト編集者
上記は公式ドキュメントに記載があったロールなですが、閲覧者の付与でもAnomalies(異常)について確認できました。さらに権限を絞りたい場合にはbilling.anomalies.〜
の権限を含む事前定義ロールを確認してみてください。
コンソール画面
[課金] → [リンクされた請求先アカウントに移動] → [Anomalies(異常)] からダッシュボードにアクセスできます。現在は特に異常的な課金が検知されていないため、ダッシュボードの表示はありません。
[異常の管理] を押下すると、しきい値とアラート通知についてカスタマイズ設定をすることができます。
しきい値
異常しきい値を¥10000で設定することにより、¥10000でのコスト偏差を超える異常のみが表示されます。また、しきい値は請求先アカウントの現地通貨で表示されます。
通知
Pub/Sub 通知では、トピックを作成して異常検知を他のシステムと連携することができます。例えば、BigQueryと連携して異常の分析を行ったり、サードパーティ製の製品と連携したりすることが可能です。
メール通知では、組織のプロジェクト全体(1日のまとめ)または単一のプロジェクトのみ(個別の異常)を選択でき、さらにロールごとのユーザーに通知することが可能です。
- 課金管理者:請求アカウント管理者ロールが付与されているユーザーに通知します。
- 重要な連絡先:個々のエッセンシャル コンタクトの管理で作成した連絡先に通知が飛びます。
- プロジェクト オーナー:オーナーであるプロジェクト単体のみの通知になります。
まとめ
Anomalies(異常)は、Google Cloud環境の予期せぬ課金を管理するための機能です。
請求先アカウントまたはプロジェクトレベルで権限を設定し、ダッシュボードで異常を確認できます。しきい値の設定やPub/Sub、メールによる通知カスタマイズが可能で、予算のアラートとは別の、より動的でリアルタイムなコスト監視ツールとして機能します。